法 話

(114)「(政)まつりごと」
  

大府市S・E氏提供


「(政)まつりごと」

    

  

 8月23日に日本を脱出してヨーロッパへ赴き、同30日帰国しました。セントレア(中部国際空港)で機外へ出たとたん、猛烈な蒸し暑さに襲われました。7月下旬から続く今年の酷暑の猛威は依然として衰えていないことを実感。報道に依れば、今夏の暑さは50年余にわたる記録の中で最高とか。

 ヨーロッパも今年は暑い日が続きました。考えてみれば、昨年のバルト三国に比べれば低緯度でもあり、今年訪れたポルトガルが暑いのは当たり前の話。でも、ヨーロッパでは直射日光は強烈ですが、一歩日陰に入ればスーッと涼しくなります。湿度が日本に比べて低いためでしょう。

 帰国後、新聞・テレビ等の報道に接すると、緊迫した政界の情報が伝わってきました。現今は、海外でも日本の政治・経済等の情報が比較的容易に入手できます。今回はパソコンを持参しなかったので、現地の新聞かテレビ以外にはニュース等を得ることができませんでした。

 英字新聞はなかなか手にすることができず、ポルトガル語は解読できません。頼りになるのはホテルにチェック・インしてからのテレビ。「ヨーロッパに“アジア・日本”を訪ねて」をテーマに2006年より過去4回、毎年訪欧しておりますが、ホテルのテレビのマルチ・チャンネルの中に日本の情報を伝えるチャンネルが必ずありました。

 もちろん生放送ではありませんが、CNNと同じようにニュース番組をアレンジしたような形でNHKのニュース等の情報を伝える番組がありました。ところが、今回はいずれも五つ星の大きなホテルなのに、NHKのチャンネルは画面上部に「NHK」の表示が出るのみで、ディスプレイに映像はなくグレー一色。

 といったわけで、大西洋岸のポルトガルでは全く掴めなかった日本の政情、就中民主党政権のキャスティング・ボートを握るのは誰か、が今最大の関心事。民主党の代表選挙は、管直人首相と小沢一郎前幹事長の一騎打ちが確定したと9月1日付けの新聞各紙が報じています。代表選については、両首脳の間の話し合いで回避して“軟着陸”を目指すとか取り沙汰されていましたが、この時点で選挙戦突入が確定した模様。

 選挙となると得票数がポイント。クリーンな管氏、実力の小沢氏といった印象を抱くのは私だけではありますまい。いずれも政治家にとっては重要なファクターですが、有権者がどちらを重要視するかが問題。支持する国会議員の数では小沢氏がリードしているようですが、地方議員票のポイントも加味されるとのことで、民主党の代表選の仕組みは実に複雑で選挙戦の行方を見通すのは至難のようです。

 いずれにしても、14日には投開票が行われ、日本の政権を担うトップが選出されます。株価が暴落し円高が進むなか、新首相には日本経済の活力を増し、国民に元気の出る施策を実行してもらいたいものです。

                                                                                            合掌  

2010.9.1 住職・本田眞哉・記》
  
 

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