法 話
(202)「必至滅度」
「
2017年は
『仏説無量寿経』には、阿弥陀仏がまだ法蔵菩薩として修行していたころ、仏になる条件として四十八の誓いの願を建てられました。その第十一番目、第十一願が「必至滅度の願」。「滅度」とは、「涅槃」ともいい、全ての煩悩が滅した悟りの境地を言います。涅槃は仏教が目指す最終の境地。「生」「死」を超えた世界。「生」でも「死」でもない境地。「執着」執われの心、こだわる思いの無い境地と言い換えたらいかがかと…。
そうした境地に、国中の人天悉く必ず至らせたいという願い、言い換えれば必ず浄土に往生させたいと「必至滅度の願」を建てられたのです。滅度すなわち涅槃に至らすことができなければ、法蔵菩薩・自分は仏にならないと誓われたのです。第十一番目の誓願です。その願は成就し、法蔵菩薩は阿弥陀仏となられ、成就した願は衆生に「南無阿弥陀仏」の名号として私たちに廻施されたのです。この名号こそ私たちの往生を確定する用きをそなえているのです。
干支の第十一番目の「戌」に、尊い阿弥陀仏の第十一番目の「必至滅度の願」を引き合いに私見を述べさせていただいたこと失礼千万、ご批判はごもっとも、甘受させていただきます。ご笑殺ください。
合 掌
《2018/1/3前住職・本田眞哉・記》