法 話

(23)「報恩行」C

 設計図書の完成を受けて、2002724日「現場説明会」を開催。指名業者全社が出席。轄~幡建築設計事務所の松田郁夫・久富雅夫両一級建築士が設計図書をもとに説明。正副委員長と住職・副住職が立ち会い。

技術面での説明に先立ち、住職から今回の工事のコンセプトについて懇ろに説明し,参加業者の理解と協力を求めました。そのコンセプトとは、「『循環型社会形成』を目指す時代に因み、できるだけ古材再利用に努めることをコンセプトとする。特に、出仕廊下の木材・建具等は当山内外の古材をリサイクルしたい」というもの。最後に、内訳明細書付きの見積書2部を855時までに提出していただくようお願いし、散会。

86日「見積審査会」を開催。降幡建築設計事務所の一級建築士松田郁夫氏と同久富雅夫氏、御遠忌委員会の正副委員長そして事務局(住職・副住職)が出席して開札。見積金額、明細書などを比較検討して慎重審議。項目別・業者別にそれぞれの見積金額を一覧表にまとめて審査。どの業者もほぼ同じ見積額になっている項目もあれば、2倍以上の開きのある項目もありあます。このバラツキは、本堂という特殊性のためか、あるいは修復工事という性格からきているのか分かりません。

が、いずれにしても、項目の拾い落としがなく、建材が指定のものと食い違っていなければ、見積総額で最低価格の業者を施工業者として選定するのが一般的です。その線に沿って最終審査の結果、白半建設株式会社と大分社寺建築有限会社の共同企業体が7800万円(税別)の最低価格で落札と決定。大変“お値打ち”。しかも、計画見直しで割愛するとしていた浜縁の新設も含めての金額。この浜縁については、設計図書には記載するものの、入作金額の結果によって実施の可否を判断するとした方針は正解でした。補正予算内で、当初計画の全工事が実施できることになり一同ホッ。因みに、応札最高見積額は14400万円(税別)でした。

かくしてお盆休み明けの819日には、正副委員長出席のもと、了願寺蓮如上人五百回御遠忌記念事業請負契約締結式を挙げる運びとなりました。締結を見た請負契約は以下の通りです。なお、工期はいずれも2002927日から2003831日まで。

@本堂等修復工事については、宗教法人了願寺と白半建設株式会社・大分社寺建築有限会社共同企業体との間の請負契約書に調印。請負代金額は81,900,000円(税込み)。監理者として、轄~幡建築設計事務所の代表者も調印。
 A仏具内装修復工事関係(内陣側)では、同じく宗教法人了願寺と京仏具鰹ャ堀との間で契約金額37,695,000円(税込み)で調印。
 B同じく仏具内装修復工事外陣側については、刈谷の叶刮Y仏壇店との間で請負契約書に調印。請負代金額は5,880,000円(税込み)。

請負契約締結後1か月の準備期間を経て、お彼岸過ぎの927日午前10時より起工法要を執り行うことになりました。名付けて「本尊御移徙(ほんぞんごいし)・記念事業総合起工法要」。まず本堂で、御遠忌委員並びに関係業者40名余が参列して報告法要。読経中に参列者全員が焼香。法要終わって、白マスクに白手袋を着けた住職が、ご本尊を須弥壇(しゅみだん)上の台座から外して特製の「輿(こし)」へお移し。正副委員長4人が静かに輿を携えて本堂正面から庫裡へ。参席の委員が付随仏具を1点ずつ持って続く。

ほどなく一行は仮本堂となる庫裡の多目的ホールに到着。住職がご本尊をホール正面の仏間仮壇に安置。三具足をはじめ諸仏具をしつらえ、荘厳完備し終えて一同声高らかに「正信偈同朋奉讃」を唱和。本尊御移徙の法要儀式は無事円成しました。参席された降幡廣信先生は、この厳かなセレモニーにいたく感動された由、後日うかがいました。

引き続いて起工行事が行われました。最初に御遠忌委員会の伊串甫副委員長の発声で乾杯。次に桝田保委員長のあいさつ。続いて、設計監理の降幡建築設計事務所、施工の白半建設並びに大分社寺建築、仏具内装関係の京仏具鰹ャ堀、同じく刈谷の杉浦仏壇店の関係5業者の代表からごあいさつをいただきました。最後に住職が謝辞を述べ起工行事を終了しました。合掌
                          【次回へ続く/
2003.2.3.住職・本田眞哉・記】
                                       

  to index