研修紀行 Ⅸ

 ──
アジア文化交流センター08夏の研修 ──

 
ヨーロッパに“アジア”を訪ねる旅 Part Ⅲ

  
パリの中心地で日本の古民家と出会い

        ベルギー・オランダの文化遺産を訪ねて⑪   

  
    
 

●名画のメッカ・アムステルダム国立博物館

日時の経つのは速いもので、きょうは8月26日火曜日。実質旅の最終日。きょうの予定は終日アムステルダム市内見学。まずは美術鑑賞で国立博物館へ。国立美博物館は重厚な建物で歴史を感じさせます。オランダの黄金時代といわれる17世紀の絵画の名作が数多く収蔵されていました。レンブラントやフェルメール、そしてフランス・ハルス、ヤン・ステーンといった著名なオランダ人画家の作品が。

 中でも目玉は何といってもレンブラントの「夜警」。1642年に制作されたレンブラントの代表作。画集などで見て大作だということは一応知っていましたが、実物の前に立ってみてその大きさと重厚さにビックリ。もの凄い迫力に圧倒されました。フランス・バニング・コックを隊長とする市警備団の中隊を描いたものですが、実は当時大流行した集団肖像画だそうです。

 画面が黒ずんでいることから、夜の様子を描いたと考えられてのネーミングですが、実際は昼間を描いた作品だそうです。また、技法面では現在レンブラント・ライトの名で撮影などによく使われる、斜め上方からの光彩を用いて独自の光の描き方をしています。

一方、フェルメールの「台所女」(博物館の図録)も名作です。またの名を「牛乳を注ぐ女」。1660年ごろの作品。45.5×41と小さなサイズですが、観る者の視線を釘付けにする神秘的な作品。柔らかな光に包まれた台所の窓際、壷を傾け牛乳を注ぐ女性。日常のごくありふれた光景を描いた作品ですが、何か謎めいた雰囲気を感じを受けるのは私だけでしょうか。女性の動きが全くといっていいほど感じられないのに、心臓の鼓動が伝わってくるように思えるとか…。注いだ牛乳は何に使うのか、はたまた誰に差し上げるのか…。

余分な詮索はさておいて、とにかくこの博物館は大きく広い。でも入館者も多いので、作品鑑賞も頭越しになる場合が多い。レンブラントの「織物組合の理事たち」や「自画像」、フェルメールの「デルフトの家並みの眺め」や「恋文」なども観ましたが、やはり本物は素晴らしい。画集やテレビで観る絵画とは全然違う。本物を観た感動を胸に、次なる目的ゴッホ美術館へ歩を進めました。


 《次号へ続く/2009.6.2 本田眞哉・記》


          to アジア文化交流センターtop