■研修紀行 U

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アジア文化交流センター01夏の研修──

  ホーチミンシティーとカンボジア
     アンコール遺跡踏査研修紀行(5)



 ビールで乾杯!

 ビールといえば、ベトナム人はビール好き、銘柄はかなり豊富。国産
は「333(ビア・バーバーバー)」が人気。ドイツのハイネケンやバドワ
イザーとか中国、日本のビールも輸入されていて楽に入手できます。
お値段は外国人の行く高級レストランで350mlの缶で28,000VDN(ベトナ
ム・ドン)。輸入ものは若干高め。ビア・ホール(Bia Hoi)での生ビー
ルは格安で、1リットル4,000〜5,000VDN。4,000とか5,000とかいう数字
にびっくりしますが、日本円で33〜40円。1万円を両替すると122万VDN
が来ますから、いっぺんに財布が膨らんで金持ちになった気がします。
28,000ベトナム・ドンのビールも円換算すると約230円。

 
      ▲レストランの対岸には「ホーおじさん記念館」

ビール談義はさておき、ここはレストラン「ガン・ディン」。サイゴ
ン川とベン・ゲー運河の合流点に、川にせり出すように建っています。
テーブル席はオープン・デッキ上に設けられており、頭上には船のマス
トを思わせる電飾が輝いています。運河の対岸に、屋根をイルミネーシ
ョンが型どりして見えるのは「ホーおじさん記念館」。サイゴン川の外
国企業の広告ネオンサインも川面に映え、夜景が一層賑やかに。

「乾杯!」のあと前菜が出たころ、急に風が吹き出しにわかに空模様
が怪しくなってきました。スコールかな? ボーイに雨が降り出したら
どうするのかと尋ねたら、「屋内にスペア・テーブルが用意してありま
す。でも、きょうは大丈夫」。安心して食事を続けましたが、突風が吹
き出し料理も鉢植えも吹き飛ばされそう。そのうち額に1滴2滴、雨滴。
「下へ降りましょう」。飲み物や料理を手に持って、足下に気をつけて
ソロリソロリ。とんだハプニングでした。

 ●ベトナムの交通事情

8月26日朝、連泊した「リバーサイド・ホテル」をあとにタン・ソン
・ニャット空港へ。日曜日だというのに町は大変な混雑。自動車の数も
以前よりは増えたようですが、バイクの大群で道路が埋め尽くされてい
る感じ。バイクは排気量50cc〜100ccでほとんどが日本製。70cc未満は
運転免許不要。したがって、12〜13歳の子どもでも平気で乗っています。
また、乗車定員の制限なし。2〜3人乗りは当たり前、最高は夫婦と子ど
もの5人乗りも見ました。こんな危険きわまりない状態でも、ヘルメッ
トの着用義務なしのため着用者はゼロ。

  交通ルールは一口にいって「無秩序」。信号も、人口700万人の大都
市に十数カ所しかないとか。無信号の交差点を止まることなく手信号で
スイスイ、マイペース。車も心得たもので、目の前を斜めに横切るバイ
クの速度を“カンピュータ”で計算して、バイクの後ろ20cmほどをスレ
スレで通り過ぎてドライバーは平然。どちらも止まったらダメ。人も車
もバイクも、お互いに5秒後、10秒後、20秒後の位置をシミュレートし
て、定速度ですり抜けるのがミソと見受けました。まさにルールなきル
ール。

 
        ▲胡志明市内のスナップ

因みに、バイクの値段は70ccが日本円で24〜25万円とか。意外に高価。
ホーチミン市での平均月収が13,000〜15,000円だそうだから、月収の十
数か月分の金額に相当する金額。ベトナム人にとっては大変高価な買い
物。日本の所得水準に引き当てれば、高級乗用車を購入することに相当
することになりましょうか。ただ、中国製のバイクは安いようですが、
故障が多いとか。

ところで、ベトナムでは「バイク・タクシー」という乗り物がありま
す。ズバリ、バイクに客を乗せて賃走するというしろものです。乗せる
のはもちろん後ろの荷台、否、失礼、後ろの「客席」へ。バイクはほと
んどホンダの「スーパー・カブ」タイプですが、後ろのシートは広く作
られていて、安定して乗れる構造になっています。運賃は、1kmあたり
8,000VDN(約70円)。1日チャーターの場合は80,000〜100,000VDN(700〜
850円)。

ガソリンはガイド氏によれば1リットル35円だそうです。ガソリン・
スタンドの客はほとんどバイク族。自動車に給油しているところは稀。
それにしても、道端で箱の上にペットボトル入りのガソリンを並べて、
カップでバイクに量り売りする“ガソリン・スタンド”は、4年前に比
べるとぐーんとその数が減りました。

話がベトナムの交通事情に回り道をしている間に、私たちの専用バス
はタン・ソン・ニャット空港に到着。空港の入り口は黒山の人だかり。
人気歌手でも迎えている群衆かと思いきや、常時この有様とガイド氏。
ベトナム戦争終結時に外国へ逃れた親戚・知人が、故郷に錦を飾るとて
帰国するのを待って、少しでも“おこぼれ”に与ろうとする人々だそう
です。平和になりました、ベトナムも。
          合掌
            
    【To be continued. Written by S,HONDA】


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