●名古屋空港あれこれ
アジア文化交流センター2002年度夏の研修旅行のスタートです。名古
屋空港国際線ターミナル・ビル4階の特別室。団員28名と添乗員1名、
計29名が勢揃いして結団式。団長の私から俄作りの旅の栞を配布してご
あいさつ。続いて、日通航空の三和田孝添乗員から日程説明と業務連絡。
結団式を終え、手荷物検査場へ。時に2002年8月23日午後1時半。
3階の出発ロビーの手荷物検査場は、意外や意外、ガラ空き。いつも、
迷路のように張り巡らされたロープの間を行ったり来たり、何度も折り
返して進むのに、きょうは検査場前にほんの一列のみ。渋滞もなくスイ
スイとゲートを通過。やっぱり不況で旅行者が少ないのかな、と勘ぐっ
てみましたが、三和田添乗員によれば時間帯の要因が大きいとのこと。
朝は出発便が多く長蛇の列のようです。
イミグレ(出入国管理カウンター)でのパスポート・コントロールも速
くなりました。EDカードが不要となったため、こちらの手間も省け、係
官もカードの半券をホチキスで留める必要もなくなったため、処理が大
変スピーディーに。ところで、あのカウンターで消費していたホチキス
の針は、日本全国で1日に何万本だったのでしょう。納入業者は、需要が
激減してさぞかしお困りだっただろうなぁ…なんて、余計なことを考え
ていると、「はい、どうぞ」。パスポートが帰ってきました。因みに、
コンピュータ処理となったため、パスポートのビニール・カバーは外し
た方がよろしいようで…老婆心ながら。
▲中国西南航空の搭乗券
搭乗ゲートは8番。かなり端っこのようです。でも、バス搬送でなく、
ボーディング・ブリッジから乗機できそうです。航空会社は「中国西南
航空」。どういうわけか、英語表記は「CHINA SOUTHWEST AIRLINES」。
13時50分発重慶行きSZ442便搭乗開始のアナウンス。
●目的地は九寨溝と黄龍、大足石窟群
そうそう、まだ今回の研修目的地についてお話ししていませんでし
たね。旅の標題「中国・世界遺産 九寨溝と黄龍、大足石窟群を訪ねる
旅」が物語るように、今回は四川省の世界遺産に登録されている3大ポ
イントの探訪と、省都・成都にある文殊院での参拝・交流を目的とする
ものです。
昨秋の常任幹事会で、2002年度の夏の研修について相談したところ、
例のSeptember 11(ニューヨークの同時多発テロ)のハイジャックの悪
夢さめやらぬ時期でもあり、比較的安全な中国方面がよかろう、という
ことになりました。そして候補に挙がったのが、安徽省の黄山・屯渓と
四川省の九寨溝(きゅうさいこう)・黄龍・大足。種々検討の結果、比較的
未知の九寨溝方面に最終決定しました。
▲中国西南航空機内誌に紹介された「大足石刻」(釈迦仏涅槃窟)
もし、黄山・屯渓方面を選択していたら、大変なことになっていたか
も知れません。といいますのは、ちょうど出発の日の朝刊は、華南地方
の豪雨被害を報じていたからです。洞庭湖をはじめ、長江流域は大洪水
に見舞われ、1億人が被災したとか。
さて、SZ442便は定刻より30分ほど遅れて名古屋空港をテイク・オフ。
機材はボーイング757。比較的新しく乗り心地も上々。ただし、今とな
っては不安も幻となりましたが、実はこのB757型機、燃料ポンプに欠陥
があったのです。帰国直後のニュース報道によりますと、1,000余機生産
した757型機の中で、燃料ポンプに不具合を来す場合があるとのこと。
最悪の場合エンジン火災を起こすこともあると警告を発しています。日
本国内の航空会社は同型機を保有していないとのことですが、中国の航
空会社は該当する機材を運行していると報じています。ヤレヤレ。
ともあれ、わが乗機は現地時間午後5時半過ぎ、重慶は江北空港に安
着。いよいよパンダのふるさと四川省の旅の始まりです。合掌。
《次号へ続く/2002.9.2記》