法 話

(44)「そらごと たわごと」その2

煩悩具足の凡夫 火宅無常の世界は 

よろずのこと みなもって

そらごとたわごと まことあることなきに

ただ念仏のみぞまことにておわします

                         『歎異抄』より

煩悩の固まりであるような私たち、火のついた家のようにはかない世界にでは、

全てのことは、みな

嘘偽りばかりで、なにひとつとして真実はないのに、

ただ念仏だけが真実なのである。

三井住友と三菱東京を天秤にかけたような合併プロジェクトですったもんだのUJF銀行。金融庁の検査を妨害したとして、東京地検特捜部が捜査に乗り出した。書類の改ざんも発覚したとか。厳正でなければならない銀行に嘘偽りがあるとは…。

国会議員のあの人もこの人も未加入・未納だった、あの国民年金問題。0203年度の2年間に1か月以上納めなかった人が、なんと加入者の45%に当たる1,000万人。会計検査院の調べで分かった。正直者が何とやら…。

元首相の派閥への日歯連からの1億円ヤミ献金事件。1億円ものお金をもらって、忘れたとか関与していないとかのコメント。私たちには理解できない。その元首相、国会の証人喚問には応じないとか。どこかにウソがあるのでは…。

今度は防衛庁。PKOを派遣した国に対して国連から払われる償還金の問題。防衛庁は国連から受領した償還金20億円を国庫に納入していなかった。会計検査院の調べで分かったという。処理に時間がかかったためとか。このIT時代に不可解な話。

以上のそらごとたわごと症候群≠ヘ1011日の新聞から得た情報。その他にもイラク大量破壊兵器保有のウソ、偽造住基カードの問題等々嘘偽りの話題がありましたが省略。わずか1日の紙面でこれだけ。「まこと」を貫くことの重要性をひしひしと感じる秋の1日でした。

2004.10.15住職 本田眞哉・記》
       

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