法 話

(58)「和顔愛語(わげんあいご)


 和顔愛語(わげんあいご)

 先意承問(せんいじょうもん)

 勇猛精進(ゆうみょうしょうじん)

 志願無倦(しがんむけん)


               『佛説無量壽經』より

 

 和顔愛語

 《やわらかな顔色とやさしい言葉》

『佛説無量壽經』上巻にある、釈尊が阿難尊者に説かれたお言葉。
法蔵菩薩は、無上の国土を成就し一切衆生を救おうと四十八の誓願をたて、その願が成就して阿弥陀仏となられました。その時の法蔵菩薩(阿弥陀仏)のお姿について語られたもの。

 真宗相伝義書』には、「内心に虚偽諂曲(他人にへつらって己の心を曲げること)の不実を離れたまえる故に、身口にその相をあらわして「和顔愛語」なり。」と解説されています。

 昨秋、耐震構造設計偽装が発覚して以来、
その件数は拡大の一途を辿り、まさに虚偽諂曲の見本市の様相を呈しております。一方、進学塾の講師が塾生の幼き命を奪うという事件をはじめ、子どもたちが傷つけられ殺されるという犯罪が連続して発生しました。子どもたちには、「知らない人にはついて行くな、“和顔”を見せるな」などという末世的な教育をしなければならない悲しい世相になってしまいました。

 しかしながら、そうした犯罪者も受刑のなかで、改悛の情を絵に文に表す例も聞き及んでいます。そうした心境に至った時には、人間本来の姿に帰り、和顔愛語の姿を取り戻してもらいたいものです。いずれにしても殺伐たる現代社会、だからこそ和顔愛語は時代社会に必要な価値観ではないでしょうか。私たちの日常生活のなかでも心すべきことでしょう。合掌


2006.1.1 住職 本田眞哉・記》

 


明けましておめでとうございます
本年も聞法に励みましょう































       

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